大きな空がわたしのキャンパス。描いた想いをカタチに

小学生

Amazon Primeでたまたま見かけた「ウマ娘※」の動画。ウマ娘の走る姿に目を奪われ、瞬間的にこれをやれば足が速くなれるかもしれないと頭をよぎった。

そこから「チーター」と呼ばれるまで足が速くなったその経緯を追っていく。走ることを極める中でどんなことを学び、どんな能力を発揮してきたのか?何がめいちゃんを夢中にさせたのか?偶然の出会いから生まれた「未知の可能性」を紐解いていきます。

※ウマ娘とは:競走馬を擬人化したキャラクター「ウマ娘」を育成するゲームの略称。

穏やかな雰囲気のめいちゃん

小学3年生の萌結(めい)ちゃん。今は走ることが大好きで、ただただ楽しくて仕方がないという。きっかけは何だったのか?

きっかけはAmazon Prime

編集部:なぜ「走ること」にこだわるようになったの?
めいちゃん:保育園の時から一緒の、自分より足の速い男の子がいて、その子を抜かしてみたいなと思っていて。走るといつも負けてたから、勝ちたかった。「ウマ娘」を見た時に、この走り方をしたら速くなれるのかもしれない!と思った。だから、ウマ娘の全シリーズを見て、走り方を研究したら、その子よりも速くなった!

編集部:具体的に何したの?
めいちゃん:ウマ娘は走り方を教えてくれる訳ではないけど、ウマ娘が「走りにはストレッチが大事」って言ってた。それでなるほど!と思って走る前に体操をやり始めたら速くなった。あとはウマ娘のフォームを見て、走り方を真似したりかな。こうすると速くなるんかな?と色々やってみたりしたよ。ウマ娘のアニメを見た後、走りに行きたい!って気持ちになる。トラックを見た時も走りたくなるよ。走り方を試してみたくなる。

編集部:いろいろと試したんだね!走ることが苦手な子でも出来ると思う?
めいちゃん:走ることがあまり好きでないお友達には「がんばって練習したら上手く走れるよ、そしたら好きになるよ。」と言ってあげたい。

やり方を真似るのではなく、やり方を盗む。そしてしっかりとPDCAを回している。やりたい、やってみる、できたという経験を繰り返し新しい目標を作っていってるみたい。良い手だね、社会に出てもこれは使えるぞ! 

これまでオリンピックや世界陸上など他の競技を見ても心が動かなかったけど、ウマ娘を見たことで「上手くなりたい」と本気で思ったよう。日頃から「〇〇したい」という気持ちがあったことで、アンテナが立っていた。やるにはどうすれば良い?の自分にとって最良の手段を見つけている。

編集部:走ること以外で好きなことある?
めいちゃん:テニス。雲梯も好き!ずっと、ぶらっ下がっていても良い。ここで寝たーいって、いつも思う。

編集部:ぶら下がってるだけ?退屈しない?
めいちゃん:ぶら下がってると、雲の絵が浮かんでくる。雲にいる世界が好きやから。飛んでる感じがする。

空想豊かなめいちゃん。普段から鳥になりたい、最後は空を飛んでみたいと言っているそう。空を飛ぶことも、ウマ娘の様に早く走ることも、動物の動きに何かシンパシーを感じるものがあるのだろうか?

出会いはいつも偶然

編集部:「ウマ娘」はどこで知ったの?
めいちゃん:適当にAmazonで見るものを探していた時に、「馬?女の子?」というワードが出てきて、気になってクリックしてみた。そこから興味を持って。「ウマ娘」は、見た目は人間の時は女の子。みんな尻尾がついていて、それが可愛いかった。でも一番好きな「メジロマックイーン」は、雄なの!

男の子になれる?!そしたらあの子を抜かせる!そう瞬間的に思ったのかも。更に、ウマ娘のコスチュームはとても可愛い。〇〇だけど〇〇、ギャップに興味を惹かれる側面もあるのだろうか。好き×興味×願望が重なった瞬間だ。

編集部:走ってる時、何を考えながら走っているの?そして、頑張る理由は?
めいちゃん:もっと早くなりたいって。とにかく1番になりたい、そう考えてる。走ってる時はいつも。記録を伸ばすためには、モンスターに追いかけられていて、そこから早く逃げろーって感じのことを思いながらとにかく必死に全力で走ってる。前よりもっと速く走りたい!って思ってるから、タイムが速くなると嬉しい。「やったー」って思う。

編集部:走りが速いめいちゃんはお友達には何と呼ばれるの?
めいちゃん:友達には、「猪」とか「チーター」って呼ばれるの。走りが速いということなんだろうけど、でも私、動物じゃないもん。

編集部:あと、踊ることも好きなんだよね。走るのと踊るのは別物?
めいちゃん:同じ。心地よい感じが一緒。踊りながらいろんなことイメージしてる。


「速く走る、1番になる」にとことんこだわっているようだ。できた!の体験と前に進んでいることが確認できること、それはモチベーションになる、これは大人も子供も一緒。つい先日の兵庫県小学生春季記録会では50メートル9秒11を記録し、同学年で2位になった。公式な記録をみることで、更に目標が高くなったようだ。

運動は全般的に好きで、勝敗がつく競技は全般的に楽しい!と思える。だが、爽快感を体験できる「走り」だけは別格というめいちゃん。

更に、「走り」がめいちゃんを虜にしているのが「空想」。これに尽きるようだ。空気や太陽、空間全体を体で感じ取り、空想の世界を創り出し、「こうだったら良いな」「こうなりたいな」を実現していくスタイルのようだ。独特の発想で感じたことを体で表現し、楽しんでいる。

笑顔で走るめいちゃん。走ることはリラックスにもなるんだって!

勝敗においても走りを極めようとするのは、なぜだろうか。

編集部:その子よりも足が速くなったという事は、目標達成したね。それでも、改めて「走り方教室に行きたい」とお母さんにお願いしたんだよね?
めいちゃん:うん。もっと速くなりたいし、世界中で1番早くなりたい。オリンピックにも出たい。今の目標は、100mがもっと速くなりたい。陸上の記録会、前回、全体で2位やったから今度は1位になりたい!

やるからには1位になりたい。目指すものをイメージすることはめいちゃんにとって1番大事。1位になるために陸上教室では一生懸命練習をしているよう。でも、本人は「頑張ってる」という感覚はなく、ただ「速く走ることに挑戦することが楽しい」そうだ。ずっと走っていられるからそれが楽しくて仕方がないのだという。

垣間見えた「職業観」

編集部:将来なりたいものは?
めいちゃん:3才から小2まではヘアメイクさんになりたかった。今は、子どもマーケットをやってからは、お花屋さんになりたい。

ヘアメイクアーティストになりたいなと思ったのは、ママの友達がヘアメイクさんで、結婚式の時とかに綺麗にしてもらってた。それを見て、楽しそうだなって。人に喜んでもらえることって良いなって思った。お友達の髪を結ってあげたら、「ありがとう」と笑顔になるのを見るのが嬉しい。

マーケットでは、お花を包んで渡すと、みんな喜んでくれた。マーケットの時、みんなでスマイルフラワーショップという名前を付けた。みんながスマイルになる!という名前なので気に入ってる。お花屋さんでは、アレンジメントがしたい。ラベンダーのお花が好きだから。

ダンスや陸上は好きだけど、自分が楽しんでるだけ。仕事は、誰かに喜んでもらえることが良いな。

お花屋さんを体験したことで、「人を笑顔にできる仕事」の幅が広がったんだね。自分だけじゃなくて周りも「笑顔」になることはめいちゃんにとって1番の大事なものなのかもしれないね!

お花屋さんでお花を買うことは好きだったけど、これまで、職業には結びつかなかった。実際に、サービス提供を経験することで「職業」として意識したんだね。色々、自分で体験することが想像力・発想力の種になりそうね!

空想が大好きで一見すると「夢物語」で終わりそうだが、合理的な視点が現実に近づける。ギャップや二面性には「発見」が隠されている。その「発見」が、めいちゃんをワクワクさせる要素の一つだろう。

今は、まだ自分が楽しいと思うことと、人の役に立つことは別ものと考えている。楽しいことが仕事になる可能性だってある。これからも、たくさんのことを体験し、めいちゃんらしさを発揮していってほしい。

なりたい姿が映像化された時、きっとめいちゃんの未来は鮮やかに描かれるであろう。

これからも、 果てしなく続く大きな空に、色々な絵を描いていってね!

かみにし めいちゃん:女/小3(2022.6現在)
走ることが大好き!というめいちゃん。「1秒でも速く走る」という目標を見つけ、突っ走る毎日。おしゃれやダンスも大好きな女の子。

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放課後キングダム企画・編集長。キャリア支援専門家。

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